堀江さんの「これからを稼ごう」のサブタイトルは「仮想通貨と未来のお話」です。そういうわけでこの本には、仮想通貨と未来のお話が、堀江さんクオリティのわかりやすい言葉で書かれています。通貨の歴史のなかで、今がどういうポイントで、これからどうなっていくのかを理解する最高の本です。
でも仮想通貨の台頭と今のお金がオワコンになる未来の方向性が見えたからといって、自分たち個人が幸せになるわけでもなく、その方向性を踏まえたうえで自分で考えて物事を積み重ねていかないと、自分自身の幸せにはつながっていかないわけですよね。
・ビットコインが現実のお金の流れに近づいている
仮想通貨周りの盗難事件は、現実のお金で発生している偽札事件などと本質的には同じもので、そのような盗難事件から何がわかるかと言うと、仮想通貨がリアルなお金の動きに近くなってきていることがわかるそうです。もちろん、決済(お金で買いもの(価値交換)をする瞬間)にビットコインはまだまだ使えない現状では、仮想通貨とリアルのお金が似てきているといわれてもピンとはきません。でも逆に言うと決済に使えるようになるときは、その時には本当にお金(=法定通貨)と同じ役割をしていることになるわけで、世代が交代する瞬間ですよね。何事も普及しはじめたときは、こんなさざ波(リップル)なのかもしれません。1980年代のインターネットのように爆発的なイノベーションの前兆もこんな風だったのだろうか。
・ビットコインの基本
本書ではビットコインの基本が解説されている。3つの技術とその効用さえ抑えておければ当面ニュースを読む分には困らなさそう。
ビットコインの3つの技術
— 丸尾@グローバル企業人 (@maruo_cross) July 7, 2018
・改ざんを防ぐ公開鍵暗号方式
・各コンピュータ対等に通信するP2P
・全ての記録をきっちり残すブロックチェーン
中央管理的なクラウドが浸透してきたところでの
P2Pの価値移動を可能にする分散型のブロックチェーン#ブロックチェーンログhttps://t.co/duQL5lsI2n
・イーサリアムとスマートコントラクト
この3つの基本ポイントを、通貨という形ではなくて契約に応用したものがよく聞く「スマートコントラクト」です。恥ずかしながら、ビットコインとイーサリアムの本質的な違いをこの本で知りました。正直イーサリアムってアルトコインの1つだと思ってましたが、本質は「Code is Law」「プログラムこそが法律である」という思想、そしてそれを現実に起こせる仕掛けでした。まさにビットコインにつぐ仮想通貨は伊達ではないということを理解できたのは収穫でした。
未来の契約「スマートコントラクト」
— 丸尾@グローバル企業人 (@maruo_cross) July 8, 2018
双方で合意した契約をブロックチェーンに保存すると、
・契約条件は改ざん不能
・プログラムが自動執行
デジタルコンテンツの違法コピー問題の終結も近い一方で、プログラム自身が法律とルールになる「Code is Law」の世界の第一歩。#ブロックチェーンログ
・お金が余っていてオワコンという話。
現代は金余りの時代と言われていることにも触れられている。その転換点は1970年代に、これまで約束されていた「お金を金(価値があるもの)と交換すること」が保証されないように変更されたことにあるとのこと。これによって、「不換紙幣」=完全にバーチャルなお金が誕生して、レバレッジ・信用創造が可能になって社会の資本が倍増していったという物語になっているのだそうだ。さらには、中央銀行が量的緩和などでお金を供給しつづける仕組みと、テクノロジー=コンピュータの発達もあり、現代では金があまり始めている。行き着く先は、お金を出しても価値が変えない時代(=金余りの時代)であり、これがポスト資本主義である価値主義の大枠なのでしょう。貯金ばかりしても本当に紙くずになるかもしれない時代がそこに来ていますよ、と。
・トークンエコノミー
ブロックチェーンを活用することで、トークンと呼ばれる各経済圏のみで使える仮想通貨が登場してくるようになります。そうすると、各経済圏の原則に従って価値が評価されるようになっていきます。
・アマゾンコイン
・ナイキのSweatポイント
・エジプトの少額Fakka
・スタバのリワード
・ANAのマイル
この辺りはもう、企業経済圏の中で出回る通貨として、その機能をもっていますよね。
ちなみにこのTED動画が面白かったのですが、昔はアメリカでは企業毎に券を発行して約8000の紙幣があったそうです。既存機関の信用下降、デジタル通貨到来で、そういった時代に戻っていくのかもしれないですね。
1860年アメリカでは企業毎に券を発行して約8000の紙幣があったそうです。
— 丸尾@グローバル企業人 (@maruo_cross) 2018年9月16日
・アマゾンのコイン
・ナイキのSweatポイント
・エジプトの少額Fakka
・スタバのリワード
既存機関の信用下降、デジタル通貨到来で、その時代が再到来します。#TEDログ#ブロックチェーンログhttps://t.co/hVNESbeAFX
もう一つ、これによっての変化として、グローバル単一指標である「お金では評価できていなかった価値」が、各経済圏で評価されることになっていると書かれています。「お金で評価出来ていない価値」なんていうものが、今の世の中にあるのかという質問ですが、結構あります。例えば、Uber、Airbnb、メルカリとかも価値が評価されていなかった空き家や空き車、自宅の物品に価値を値付けしてますし、暇な人の時間とかも今までは値付けされてなかったですよね。あと、人間関係もお金に換算できないですよね。
こういう今まで値付けがされていなかったものに、仮想通貨とトークンエコノミーはバンバン価値を付けていけるポテンシャルがあるのです。しかしそれは、各経済圏で評価される価値すらない人にはつらい世の中です。
・価値を高めるしかない
その時代を生き抜くにはどうすればいいかというと、結局、価値を高めるしかない。凡人にできるのは新時代を予測して、そこに自分の好きなことと得意なことをかけあわせてポジションをとって、求められる継続力を発揮して頑張ることだけ。
も
ちろん、今と違ってムダな苦労や汗水は評価されなくなります。残酷な真理を背に価値を身につけるべく頑張らないといけません。堀江さんも「勇気を出して一歩踏み出して、頑張る」ことでしか前にススメないということを言っています。
・じゃあどうやって頑張るの?
ムダな苦労や汗水が評価されない時代に頑張るって何なのか?これは、だれかを喜ばせられるようなスキルを身に着けることだと思っています。ここで、何が差別化するポイントかというと、自分自身のアップデートを続けられる「継続力」と「モチベーション」です。
頑張る=頑張って何かを身につけるには、とにかく1万時間の継続が必要と言われています。最高の英語教材であるTEDが無料なように学習のコストもどんどんさがっています。 つまり「継続力」と「モチベーション」さえあれば、抜きん出れます。どうやって継続力を身につけられるの?という問いには自分も明確な答えは持っていません。でも、継続力の科学的裏付けと方法論は、この無料動画とこの本が非常に参考になると思います。ぜひこれらを読んでがんばりましょう。
才能(IQ)よりも継続力(GRIT)が成功への鍵
— 丸尾@グローバル企業人 (@maruo_cross) June 6, 2018
スキル=努力X才能
達成=努力Xスキル=努力X努力X才能
著書’GRIT’の「達成方程式」へとつながるダックワークス氏の超有名なTED動画。翻訳でもいいのでぜひ。#TEDログhttps://t.co/4eajEKchIZ

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堀江さんのこの本は、とにかく読みやすい本なので、みなさんもぜひ。
丸尾