最近、仕事で海外と意思疎通がうまくいかないことが多かったので、異文化対応力みたいなものをつらつら考えてみました。「目の前の人の性格」と「その人の国の文化」の2つのレイヤーがあって、その2つをきちんと区別して理解したほうが、少しだけ効率良くコミニケーションができますよね、というお話です。
海外の人とのコミュニケーションは大変
海外の人と仕事をすると、当たり前ですが意思疎通は全くもって容易ではありません。そのときに「その人の性格」と「その国の文化」のどちらが原因なのかという切り分けは重要です。その人と自分の相性が合っていないだけなのか、自分のやり方がその文化に合っていないのかの切り分けになるからです。
それで、どうやって切り分けするかというと、「その国の文化」を知識として知らないといけないんですね。
ひとりひとりの個性がある
もちろんその国の文化も大事ですが、ひとりひとりの個性も当然あるのだから、「その国の文化」だけを大事にして「その人の性格」をないがしろにしてはいけません。
アメリカ人にも色んな人がいるし、日本人にも色んな人がいます。日本の中でも北海道と東京と京都と沖縄では、文化や伝統や民族性に違いがあります。というか、ひとりひとり性格が違います。そんな中でステレオタイプに関西人は面白いと決めつけるべきではないように、インド人はよく喋るのだと決めつけて、その人を語るのは良くないです。それは当たり前ですね。だから「その国の文化」だけを大事にして「その人の性格」をないがしろにしてはいけません。
1人1人の性格を考慮する前に
でもですよ。結果が求められるビジネスでは、「その人の性格」を積み上げてやり方を決めるなんてことを言っていられません。アメリカ人を、日本のやり方のままマネジメントしたら、成功するより失敗する確率のほうが高いのは明らかでしょう。5人のインド人をマネジメントするために、ひとりひとりの特徴や性格をゼロから分析してアプローチを検討することにして、それがわかるまでとりあえず日本式マイクロマネジメントで突撃したらゲームオーバーです。
1人1人の性格を考慮するのも大事だけど、それより先にやはりその国の文化にあわせたやり方で行くべきです。
「その国の文化」の正しい知識が必須
ビジネスでは、その国に合いそうなアプローチを最初から使ったうえで、実践で調整していく形で進めないと間に合いません。そこで、冒頭に戻りますと、その確からしい最適なアプローチを導き出してくれるのが「その国の文化」の知識なのだと思うし、その知識を活かしていくのがあなたやマネージャの「異文化理解力」なのだと思っています。
文化を理解できると、個性が尊重できる
「その人の性格」=ひとりひとりの個性や性格、と、「その国の文化」はレイヤーが異なります。文化毎の個性や性格の”幅”のなかに個人の個性や性格があるイメージで私はいるのですが、いわゆる”あたり”をつけるために、その国の文化と自分の国の文化の違いを知識としてもっておくことが、効率よく仕事を進めていくためのコツみたいなものだと思っています。
その「文化」のレイヤーを抜きにして個性だけで違いを図ろうとすると、「あのフランス人Aさんがこういう態度なのは、Aさんが悪いんだ」という思考回路になりかねません。理想は「フランスの文化と日本の文化はこんなに違うのか。その中でもAさんはこういう態度なのか。さてどうしようか。」と考えるべきなんですよね。実際にここまで精緻に考えている暇も能力もないので、完璧には実践できていませんが、少なくとも前者の思考回路よりも、態度としては大分マシなものであると思っています。
違いがわかったらどうするの?
もちろん、異文化を理解して違いがわかったところで仕事はうまくいきません。そもそも同じ国の日本の中でだって、仕事うまくできない人なんて山程いるでしょう。異文化理解したところで、それでもコミニケーショントラブルが続くと思います。しかし、こういった考え方で知識をつけてから、丁寧に文化に入っていけば、かなりマシな初動がとれるのは間違えありません。
ということを、自分に言い聞かせました。あと、こういう細かいところのギャップを詰めていくには、やはり英語力が必要だなということを改めて痛感します。
明日からまたがんばります。
丸尾